ようやくこの日が来ましたね…
観に行って参りました、舞台「機動戦士ガンダム00-破壊による覚醒-Re:(in)novation」。
途中延期を挟んでかなり長い間待ちましたが、待った甲斐がありました。
本記事は現地での観劇レビューです。
人気アニメ作品『機動戦士ガンダム00』舞台化の続編、2022年2月7日(月)~14日(月)に新国立劇場にて上演!…
【日程】
2022年2月7日(月)~14日(月)
【劇場】
新国立劇場 中劇場
〒151-0071
東京都渋谷区本町1丁目1番1号
キャスト陣による熱演・怪演たっぷり三時間
途中15分の休憩を挟みましたが、じっくり楽しませて頂きました。
ストーリーラインの大筋は本編を踏襲しつつ、話の筋を変えてストーリーの先々まで知っているファンでも興味を引くような内容になっていたので、多分あの場に集まった「ダブルオーを飽きるほど視聴した」人達でも新鮮な驚きがあったと思います。
ネタバレになるのであまり詳しいことは書きませんが「おお、あのキャラがチームを…」とか、割と話の根幹に関わるようなところをガラッと変えてるので前回同様舞台版ガンダム00として仕上がっていました。
舞台の都合もあるかと察しますが、キャラの役割を差し替えたり本編のセリフを活用したり脚本家の方も相当本編を視聴されたのではないでしょうか。
アンドレイのくだりもああいう改変にすることでグッと重さが出てきたし色々考えられてるなあと。
さて、前回はライブビューイングで視聴した私ですが、今回舞台を観に行こうと決意したのは「キャストの熱演を生の舞台で観たかった」というのが大きな理由です。
2019年2月、東京と大阪で開催された舞台『機動戦士ガンダム00 ー 破壊による再生 ー Re:Build』。MS戦を舞…
スクリーンで観るのももちろんいいけど生はまた違うだろうなあとドキドキしながら観に行きました。
そしてその欲求は十分に満たされました。
欲を言えばもっと近い席で観たかったけど、あまり申しますまい。
前回の舞台から丸三年経っていますが役者陣のテンションの高いこと。
一番楽しみにしてたMS戦もガッツンガッツン行くのが見られたし、コックピットでの熱演も健在で腰が浮くほど引き込まれました。
見れば見るほどすごいんですよね。
あんなキャスター付き座椅子(パンフレットによればモビルスーツライザー?という名称)を高速で動かすアンサンブルも、座椅子が結構な高さがあるにもかかわらず役にのめり込んで演技をする役者の姿にも魅入られる。
「おいそんなに動いて大丈夫なのか」とヒヤリとする場面もありましたが、あそこまで仕上げるのに相当の修練を積んだのでしょう。
また、私は演劇素人というか普段あまり観ないので素人視点の印象ですが、役者も動作のひとつひとつでキャラ付けをやっていこうという意識が強いように見えましたね。
コックピット上の熱演はパイロット達全員がそうだったのですが、例えばあまりアツくならないタイプのキャラクターはややスカして構えているとか。
芝居をする時も各キャラクターならこういう立ち姿で話を聞いているであろう、というような細かいところまで考えて演技をされているように見えました。
そうしたキャスト陣の熱演に加え、ド派手な光と音の演出がより舞台を盛り上げます。
華やかなビームの光景はやはり劇場まで足を運んでよかった、と改めて思いました。
あのビームの溢れる様は現場でなければ感じられなかったと思い得した気分です。
ダブルオーと言えばやはり粒子の輝きが印象深いので、どう表現するかをかなり検討されたのではないでしょうか。
そして惜しみなく要所で使われる名曲達。
曲だけで「ウッ」と来るのに、演劇とシンクロして胸が詰まります。
ラストバトルもそう来るか、という大胆さがあったり「彼の胸の内はこうだったんじゃないか」という舞台独自の解釈を加えられたり三時間あったとは思えないくらいのめり込んで鑑賞しました。
かように非常に満足できたのですが、終了後は非常に消耗してましたね。
演劇って観る方も体力使うんだなあと実感しました。
アレを期間中ほぼ毎日やってるってキャスト陣は体力オバケなんでしょうか。
ビビッドなキャラクター達
渾身の演技を披露して下さったキャスト陣の中でも特に私が心奪われた一幕を。
セルゲイ:たった一言で一気にお義父さん感が出た。爆上がりと言っても過言ではない。
スメラギさん:立道さんの凛々しさが全面に出て、かなりハンサムだった。飲酒シーンはあったもののだらしなさはほぼゼロ。
フェルト:最初キャストに手を振ってるのかな?と思ってたが、どうやらモニターを操作している演技だったと気づく。あの手の挙動が可愛かった。
パトリック・コーラサワー:ひとりああいうのが居ると場が和む、というのを体現するかのような男。
ミスター・ブシドー:誰が演じても気持ち悪いというのはある意味奇跡のような男。
エディ・ミヤサカ:そこ拾う?
コーラサワーに関しては「脚本家の方もアレで遊ぶことを楽しんでるでしょう?」という空気が漂ってました。
空気にそぐわないことやってもある程度許される不思議なキャラクター性がありますね。
あと私の中にある沙慈像と照らし合わせてのことなんで沙慈役の前川優希さんは全く悪くないんですけど「この沙慈随分タフそうな声してるな…」という点が気になってました。
立ち姿はイメージ通りなんですけど原作にあった線の細さがあまりなくてなんか強そう、というか。
そういう意味ではスメラギさんも「この人ぜったいつよい」というオーラが出てましたね。
舞台オリキャラのイース・イースターなどは戦場ではしゃぐタイプというか、全身で戦う喜びを表す戦闘型だというのが初見でも伝わってきました。
終盤の独白が結構好感持てたので、今回の舞台を未視聴の方もこの先映像ソフトなどで視聴する機会があれば是非チェックを入れて頂きたいです。
パンフレットにはイースのキャラ設定が高河ゆん先生描き下ろしで掲載されており、舞台を観終わった後だと「お前そんな線が細そうな感じだった?」となりますが、そこはご愛敬。
ホンモノはパンフレットをご覧頂くとして、私の絵で申し訳ないんですけどだいたいこういうデザインのキャラクターです。
舞台に関する私の小咄
コロナ禍もあり、関係者の皆様は紆余曲折を経て公開まで辿り着かれたことをお喜び申し上げます。
それには毛ほども及びませんが、観客である私の方も色々ありました。
コロナの影響で2020年7月公演予定だった舞台「機動戦士ガンダム00-破壊による覚醒-Re:(in)novation」の…
具体的には当初の日程で公開中止になった時いったんチケットを払い戻しし、「今回払い戻しされた方は次回公演は優先して抽選します」というアナウンスに油断してその優待申し込み期間を逃してしまったり。
その件はどう対処したかと言うと、ガンダムファンクラブ特典からもういっぺん抽選に申し込むという二度手間。
そちらで何とか予約が取れたから結果オーライではあったのですが、あん時は本当にショックでしたよ。
申し込み期間が10日もあったのにメールチェックし忘れてた自分に腹が立つし。
そして、なにぶん私劇場で演劇を観る機会というものがあまりありませんので新国立劇場の中劇場座席を確認した時「ひょっとして自分の席からだと舞台まで遠くないか?」と気づきました。
で、どうしたかと言いますと双眼鏡を買いました。
これでキャスト達の表情もあまさず堪能できるぜ!!と意気揚々だったのですが、いざ始まってみると使う機会がなかった。
舞台を広く使ってお芝居をするので誰かひとりに視線を集中させるのが難しい局面が多く、結局肉眼で舞台全体を見渡した方がいいという判断になってしまうんですね。
折角このために購入した双眼鏡が観劇中ずっと首からぶら下げてるだけになってしまった。
一回ぐらい使えばよかったかな。
そうしたら隣の人が「失礼」とか言いながら私の双眼鏡を取り上げるイベントが発生したかも。
熱気あふれる良い舞台でした
先ほど述べた通り観劇後はしばらくヘトヘトで何も出来ないくらい消耗しました。
今もあの熱気の余韻に浸りながら記述しておりますが、やむにやまれぬ事情とはいえカンパニーの方々も延期を乗り越え感無量でこの時を迎えられたことと思います。
その情熱があの日会場を満たしていたとしみじみ噛みしめています。
今後もしああした舞台が作られるのであれば、その時はまた見せて頂きたいですね。
ところで、せっかくなので現地で映像ソフトの予約をしておきました。